#恋ボク 執筆裏話 4話 〜storysリニューアルへの恨み〜
2017年7月。清瀬さんが自ら起業してstorysを引き続き運営する方向になった。
1010株式会社。
まず読み方が分からなかった。
「じゅうじゅう」と読むらしい。
当初企業への事業譲渡の方向で動いていたが、紆余曲折あって、ずっと運営者だった清瀬さんのやりやすい方向になった。今思い返すと、これも本業の仮想通貨事業(コインチェック)が大きく当たっていたから成り立ったのだろう。
僕はずっと相談に乗ってきた延長線上で「株主にもなってほしい」とのことで、コインチェック改め「じゅうじゅうの清瀬さん」をお手伝いすることになった。
フルコミットは清瀬さんのみで、エンジニア、企画等は他の会社で本業を持つ「お手伝いプロジェクトチーム」だった。西新宿の小さなカフェで他のメンバーの方と顔合わせのランチをした。
運転資金もないので、早々に事業会社から資金調達もすることになった。清瀬さんの方で某上場企業とコンタクトがあり、資本業務提携契約を進めた。
2017年10月。並行してサイトのリニューアルをするとのことだった。
また、吉本興業さんとの協業プロジェクト「カタリエ」の第二弾も仕込んでいるとのことだった。
「storys」という自分の物語を投稿するサイトは、個人的にサービスに共感するポイントはあったけど、ユーザー目線で改善して欲しいところがいくつもあった。
2017年初に書いた僕の「YahooBBのハナシ」は多少バズったのだが、読んだ人との感想投稿やいいねをもらった人とのコミュニケーション設計がイマイチだった。これはちょうど同じ年に株主として手伝い始めた「voicy」という音声サービスでも同じような現象が起きていて、とにかく「投稿者と読者」「発信者とリスナー」のコミュニケーション設計がイマイチだと「サービス継続」がしずらい。そこがサービスの「コアバリュー」なので、そこをしっかりと改善すべきだった。
僕は楽しみにリニューアルを待つとともに、voicyでも同様小さなプチ株主だけど「サービスを自ら触りまくる」労働者プレイをしなければと思っていた。そう、リニューアル後のABテストも兼ねて、また「カタリエ2」に何かしらのネタを投稿してみようと。
リニューアル後のサイトを確認してみると、4,000ぐらいシェアされていたfacebookシェアカウンタが0になっていた。
「ゼロかよ…」
それだけでなく、SEOもイマイチで流入数が落ち込んでしまったみたいだ。
ある日、SEOやUXに詳しい、大柴さんことべるおさんの渋谷小部屋に雑談しに行くと、
「storysのリニューアル、イマイチっすね。元に戻したほうがいいっすよあれ」
とのことだった。
「別件ですが、質問箱ってサービス知ってますか?あのサービスを買うところありませんか?●億で」
と清瀬さんからは、あまりにも別件すぎるメッセが入ってきていた。
<つづく>